マイホームを購入する際、よく目にするのが、分譲地・分譲住宅といった「分譲」というキーワード。
分譲とは、「分割譲渡」を省略した言葉で、広い土地をいくつかに区分けして販売している土地、建物のことを言います。

「分譲地」とは、広い土地を土地開発会社などがまとめて購入し、切り分けて土地の整備を行った後で販売している土地のことを言います。
「分譲住宅」とは、分譲地として整備した土地に建物を建てて、土地と建物がセットになって販売されている住宅のことを言います。

同じ分譲がついていますが、土地だけを購入して家を建てる場合と、すでに土地と建物がセットになっている場合ではどうちがってくるのでしょうか。
今回は、分譲地と分譲住宅それぞれの特徴やどういった人が向いているのかをご紹介します。

１，分譲地の特徴

● メリット
分譲地は、暮らしやすい街並みを意識して整備されるケースが多く、電気・ガス・水道といった生活インフラ工事を行った後で売り出されるので、すぐに家を建てることが出来ます。また、条件の良い土地を比較的安価で購入できます。

● デメリット
分譲地では、周りも同時期に家を建てるため、どのようなコミュニティが形成されるのか、隣人がどんな人なのかが家を建てた後でしか分からないというデメリットがあります。
また、駅から遠い郊外に位置することも少なくないため、電車などの公共交通機関を利用する場合は、利便性が低くなることがあります。

● 分譲地で気を付けること
分譲は大きく２つに分かれます。１つは「分譲宅地」、もう一つは「条件付き土地」です。
「分譲宅地」とは、建築会社を自由に選んで家を建てることが出来る土地のことを言います。
「条件付き土地」とは、その土地を購入した場合、家を建てる建築業者が指定されている土地のことを言います。一般的に、条件付き土地の場合は、あらかじめモデルプランが用意されている場合が多く、そのプランから大幅に外れた変更を加えると割高になる傾向があります。
ですので、分譲地では、購入したい土地が「条件付き土地」であるかどうか確認する必要があります。

２，分譲住宅の特徴

● メリット
分譲住宅は、数戸～数十戸をまとめて建てるので、建築資材・施工などをまとめて手配することでコストを軽減できるため、比較的安価で購入出来ます。
また、土地と建物がセットで売られているため、購入時に予算が把握しやすく、資金計画が立てやすくなります。
もうすでに建っているか、あるいは間取りはほぼ決まっているため工期が短く、入居までの期間が短いというメリットがあります。

● デメリット
注文住宅に比べると、間取りや仕様を選ぶ自由度は低くなります。追加で何かを加える場合、対応してもらえたとしても、コストと時間がかかってしまいます。
また、広いエリアにいくつもの住宅が建てられており、外観は周囲と統一感を持たせた似たような作りになっています。

３，分譲地、分譲住宅それぞれどんな人が向いているの？

分譲住宅は、すでに家が建っている、あるいは間取りプランが決まっているため、変更を加えることはほとんどできません。そのため、建物や間取りに強いこだわりがなく、打合せに手間をかけたくない、子供の入学時期に合わせて引っ越しをしたいなど比較的短納期で入居をしたい、事前に物件を確認して購入したい、購入費用を抑えたいといった方が向いています。
家に自分らしいアレンジを加えたい方は、分譲地を選びましょう。分譲地の中でも、自由に建築業者が選べる「分譲宅地」と建築業者が決まっている「条件付き土地」があります。家を自分好みにアレンジしたい方は、「分譲宅地」を選ぶようにしましょう。一から間取りアイデアなどを考える時間や手間は省きたいけど、少しアレンジを加えたいという方は「条件付き土地」を選ぶとよいでしょう。