自分の「好き」を大切に

私は、設計する上で大切にしていることは、家事ラク動線とすっきりと見せるための収納計画です。その上で、お施主様の好きなものやこだわりが暮らしに溶け込むデザイン性にも考慮した家づくりを心がけています。

お施主様の好みを大切に

住宅の設計では、施主様一人ひとりの要望に沿ってプランやデザインを計画していくため、自分の好きなデザインではなく、施主様の好みを大切にすることが必要です。得意なデザインや流行があっても、趣味嗜好は人それぞれです。打ち合わせを通して施主様の隠れたこだわりを見つけ、その方ならではの＋αの空間提案を大切に設計に取り組みたいと考えています。私自身も施主様との対話を通じて新たな発見や学びがあります。

居心地のよい空間づくりを一緒に

自分の好きなものに囲まれていると、居心地が良いと感じます。整然とした綺麗な空間も素敵ですが、実家のような住み慣れた空間づくりも大切にして欲しいと思っています。固定概念にとらわれず、一緒に居心地の良い空間づくりをしていきましょう。

中学生の時、初めて自分の部屋を持てたことは、自分だけの空間を作る楽しさを実感する大きなきっかけでした。家具の配置を考えたり、デスクやイス、カーテンの色を選んだり、小物を少しずつ増やしていったり。イメージを膨らませるために雑誌の切り抜きを集めてまとめたり、自分なりにこだわりを持ってじっくり考えながら少しずつ形にしていく時間は、非常に楽しい思い出となりました。この経験を通じて、空間デザインに対して私が興味を持って取り組むことができると実感したきっかけとなりました。

大学卒業後、インテリア業界に進みましたが、インテリアコーディネートの経験を通じてさらに広い範囲で空間づくりをしてみたいと感じるようになりました。元々建築士の仕事への憧れもあり、一念発起し建築士の道へ転身しました。家づくりにおいては、間取りはもちろん、外壁、天井、壁、床の色合いなどの選択も重要です。どのような色合いにするか迷われることも多いかと思いますが、インテリアの要素選びもワクワクする楽しい作業です。

スイスの建築家、ピーター・ズントーが特に好きで、数年前に念願のスイス旅行に行ってきました。アルプスの少女ハイジのような風景の中、無人駅から坂道を歩くこと1時間、目的の教会にたどり着きました。その教会は舟の底のような梁が特徴的で、神聖さと親しみやすさを併せ持ち、心穏やかな気持ちになりました。道中はかなり大変でしたが、今でもいい思い出として心に残っています。